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Nikkei225 Futures technical watching Vol.2

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2018年5月第2週のまとめと来週の主な予定

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2018年5月第2週のまとめと来週の主な予定

●2018年5月第2週のまとめ
・週間指数動向
今週は、中銀イベント、米企業決算一巡で手掛かり材料難のなか、USD高+債券利回り一服を背景に低VIX、低出来高で戻り優勢の展開に。主要市場は全市場がプラス圏を維持する堅調な展開。東京は円建て日経は上昇して7週続伸。TPXは反発。ドル建て日経は3週ぶりに反発する展開に。その米国はDJIA、S&Pが3週ぶりの反発、NASDAQは続伸も、3月初旬に記録した5%超の急続落に対して引き続き戻りの鈍い展開。欧州は、FTSE、DAXともに7週続伸。中華圏指数は、USD高一服の香港は4週ぶりに+3.99%の急反発。上海は4週続伸。今週の史上最高値、年初来高値更新市場はなし。年間ベースでは米三指数、ドル建て日経、FTSE、DAX、香港がプラス圏を維持。東京、欧州比で「出遅れていた」米国が「差」を詰める一週間に。
来週は本国の企業決算も一巡。先般の急落でさまざまなプロダクツのチャートが「三角形」を逸脱して2月の安値(高値)視野から戻りの鈍い展開のなか、さらに一段安して「居場所」を変えてくるのか、足元の業績に視線を向けて下抜けした「三角形」への戻りを試す展開となるのかに注目。その過程で、債券買い+リスク資産売り(またはその逆)の伝統的金融政策下の反応が継続するのか、いったん「ミニ・ゴルディロックス」様の債券買い+リスク資産買いが示現するのか注目しておきたいところ。

その他、日経平均の予想EPSが低下中。2012年以降、3月期決算通過のこの時期にEPSが低下するのは初めての事象。来期へのドル円が3月の日銀短観大企業・製造業想定為替レートより若干の円高方向、米政策の不透明感、米中貿易摩擦の悪化懸念等による厳し目の見通しは既報。さらに今年1月、2月にEPSが大きく上昇した分の「剥落」と考えれば、現時点では過度の警戒は不要の印象。


・週間為替動向
今週は、英中銀金融政策委員会、予想を下回る米PPI、CPIで動意付く局面も見られたものの、終わってみれば全般小動き。週を通すとAUD高≧GBP=USD≧EUR≧JPY安。USD高、USDX高が三週ぶりに緩和される展開に。JPYはストレート円では小動き、クロス円では若干の円安傾向も東京指数への影響は軽微。
2012年衆院解散発言後のドル円は図の通り。アベノミクス初期は「円安、株高」。これがチャイナ・ショック、Brexit、トランプ大統領就任を経て「円高+株高傾向」に転換。この「円高+株高」傾向はNYのリスク資産動向の堅調が前提。引き続きNY市場の展開に留意しておきたいところ。


・週間債券動向
現在のところ、債券のボラティリティーを表す「TYVIX」は低下して落ちつきを取り戻す展開も、原油価格上昇と期待インフレ率(BEI:10-Year Breakeven Inflation Rate)上昇を背景に、10年債利回り3%突破から高止まりの展開。中期的には2014年中頃から続いた上限域2.6%のレンジを抜け2013年末の水準3%超えを視野。2年債は2008年以来の2%台に定着、30年債は3%を超えて2015年6月の3.4%を視野に入れる展開。



他方で、原油上昇によるBEI刺激効果とFF金利引き上げによる短期サイドの底上げでイールド・カーブのフラット化が徐々に進行中。「カーブのフラット化はリセッション入りのシグナル」という「定説」に対して、「カーブのフラット化はリセッションの前兆に非ず」というFED高官の理論があるなど、この点に関しては不透明感が残されるところ。引き続きカーブ形状の変化を注視しておきたいところ。
前述したように、原油上昇によるコストプッシュ型の金利上昇バイアスが警戒されるなか、5年先5年物予想インフレ率(5y-5y Forward Inflation Expectation Rate)に今のところ上昇加速の変化は見られず。原油価格の押し上げ効果以外にインフレ期待がなかなか盛り上がらないなか、「ビハインド・ザ・カーブ」を嫌うFEDの金融政策と実体経済の綱引きの構図は変わらず。10年、30年債ともに数年来の高値水準を視野に入れるなか、引き続き「低金利+リスク資産買い」の「ミニ・ゴルディロックス」で堅調に推移できるのか、「金利低下(上昇)+リスク資産売り(買い)」の「伝統的反応」に転じていくのか、金利上昇バイアスに耐えられず「債券安+株安」に移行するのか注目しておきたいところ。


・その他
オイル(原油)はここ数年の高値圏を抜けて100ドルを視野に入れるなか、再び上値追いの傾向に。以前はオイルと株価指数に正の相関が高い期間があったものの、直近では「原油高→金利上昇が重石→株価下落」傾向。さらなる原油高はCPI、PPIに働きかける金利上昇バイアス加担懸念との綱引きはいかにも悩ましいところ。
他方、「炭鉱のカナリア」ハイイールド債は三角持合い下抜けから切り返して、再び戻り探りの展開に。2月の急落局面ではハイイールド債下落に遅れて株価指数が急落。直近では再び上昇方向で両者の乖離を縮小する方向に。株式、債券、為替市場の動向とあわせて今後の展開に注目しておきたいところ。


・総括すると、まちまちの経済指標、地政学的リスク、米国の保護主義傾倒からの貿易摩擦加熱が懸念さらるものの、サプライズ・インデックスは停滞気味。

経済活動は引き続き好調(と「今のところは」思われる)も、金利上昇、ドル高による企業業績の圧迫に懸念が残るなか、各プロダクツ間、あるは同プロダクツ内での循環物色のなかで資金循環が維持されるのか、債券安+ドル安+リスク資産安のトリプル安のリスクオフに至るのか注目しておきたいところ。

●来週の主な予定
14日(月)
セントルイス連銀総裁講演
クリーブランド連銀総裁講演
15日(火)
中国小売売上高(4月)
中国鉱工業生産(4月)
独GDP速報値(第1四半期)
米小売売上高(4月)
ダラス連銀総裁講演
サンフランシスコ連銀総裁講演
上院委、次期FRB副議長らの指名承認公聴会
16日(水)
日本GDP速報値(第1四半期)
米鉱工業生産(4月)
米住宅着工件数(4月)
アトランタ連銀総裁講演
セントルイス連銀総裁講演
17日(木)
豪雇用統計(4月)
米景気先行指数(4月)
米新規失業保険申請件数(12日までの週)
ダラス連銀総裁講演
ミネアポリス連銀総裁講演
18日(金)
日本消費者物価指数(4月)
ブレイナードFRB理事、講演
ダラス連銀総裁講演
クリーブランド連銀総裁講演

●来週のポイント
★今週はFED高官の講演が多いです。6月FOMCでの利上げ(1.50~1.75→1.75~2.00)確率は既に100%で、焦点は利上げは「年間3回なのか4回なのか」に移っています。この点に関して、高官の「石頭ぶり」によってマーケットが「動揺」する可能性には留意が必要でしょうか。
 

★Nikkei、DAXは7週続伸。東証一部の25日騰落レシオは124.71%、Put call ratioも低下して過熱感が警戒されてる水準に入ってきているようです。他方で、モメンタムの源流である米国のセンチメントは未だ「半信半疑」。東京は、状況的には上げ詰まりが警戒される水準に到達しつつあるものの、米国の「センチメント」が思いの外良化してリスク資産が伸びると、東京はそれに引っ張られる可能性も否定はできないところです(その場合にはNY>東京でしょうが)。このため、決め打ちで向かいのポジションを構築するのは意外に高リスクの可能性もある点には留意が必要そうな印象です。
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